
「コンビニで独立開業したいけれど、必要な自己資金が足りない」というご相談を、たまにいただきます。
保守的に考えるならば、自己資金が足りない状況での開業はすでに無理がある(他のオーナーよりもリスクが大きい)ので極力避けるべき、ともいえますが、それを承知の上でコンビニ開業したい、という場合にどのような方法があるか、検討してみましょう。
1 FC本部が用意している各種助成・補助制度を活用する
各FCでは、開業時の商品仕入れ代金等の融資制度の他にも、一定の条件を満たす場合に加盟金や開業費用の減免をする制度や、融資相談に乗ってくれるなどの補助制度を設けている場合があります。
近年はオーナー志望者奪い合いの傾向があるのでしょうか、加盟金の免除や引越費用当の補助制度を設けるFCも現れており、加盟のハードルは少し下がっているようです。
しばらく本部(契約)社員として働くことで、トレーニングをしながら開業資金を貯めることができ、さらに開業費用のうち研修費が免除されるという制度を用意しているFCもあるようです。
2 親族から借りる
金融機関から借りるのも手ですが、金融機関からの借入は開業直後から返済がはじまるため経営が軌道に乗る前からの返済を負担に感じるケースもあるようです。
当然、初月から利息もかかります。
その前に、できれば当初1年程度は返済を猶予してくれたり、利息もしばらくは免除してくれるような親族からの借入を検討するべきでしょう。
3 金融機関から借りる
オープン時の商品代金等として、すでに本部融資を受けているため、さらに金融機関から事業資金として融資を受けることは難しいケースもあります。
ただし、担保等がある場合や、金融機関によっては融資が受けられる可能性も十分ありますので、検討しても良いでしょう。
地域の金融機関を検討される方も多いようですが、次のような公的性格の強い融資機関や制度もありますので、あわせて検討してみてはいかがでしょうか。
日本政策金融公庫 政府系の金融機関。一般の金融機関では融資を受けにくい新規創業者でも、比較的低金利で融資が受けられる可能性がある。
自治体の制度融資 都道府県の信用保証協会などの保証制度を利用して銀行などから融資を受けることができる。金利も低めで融資を受けやすい。(利息のほかに信用保証料がかかる。)
4 公的な助成金・補助金制度を活用する
一般にはあまり知られていないことですが、厚生労働省や経済産業省は、創業や雇用について助成金・補助金制度を用意しています。
コンビニの開業や経営に利用可能なものもありますので、要件などを確認して、申請できるかどうか検討してみましょう。 雇用に関する助成金の情報は、インターネットで調べるほか、公共職業安定所(ハローワーク)などに相談するとよいでしょう。
5 経験を積みながらお金を貯める
独立開業を少し先に延ばして、資金を貯めるというのも一つの手です。
本部社員や、コンビニ加盟店を経営する法人の社員、またはコンビニのパート・アルバイトとして働いてお金を貯めることができれば、高いオペレーション能力を身につけて開業することができます。
上でも少し述べましたが、数年勤務した場合、開業資金の一部が免除されるというような独立支援制度を用意しているFCもあります。