家族への給与を必要経費に。「青色事業専従者給与」で節税

妻(または夫や子供)がお店の経営を一緒にしてくれているのなら、給料を支払っている方も多いでしょう。

しかし、家族に支払う給料は、オーナーの必要経費として認められるのでしょうか?

オーナー世帯の税負担にはどのような影響があるのでしょうか?

私たちのもとにも、「妻(または夫や子供)に支払う給与は経費になりますか?」というお問い合わせが多く寄せられます。

「家族に支払う給料を経費にしたい」
 

コンビニオーナーが、コンビニ経営に従事している配偶者その他の親族に給与を支払う場合、これらの給与は原則として必要経費にはなりません。(ポケットマネーから支払う小遣いのような場合は税務上の必要経費にはならないということです。)

これは、経営で生じた所得を不当に家族への給与として分散し、所得税の課税を免れようとすることを防ぐためです。

 

ですが、一定の条件を満たせば、家族への給料を経費として認めてくれる特例の制度があります。
青色事業専従者給与というものです。

青色申告者であること、事前に届け出た範囲内の金額であること、実際に支給したものであること、不相当に高額でないことなど、各種要件をクリアする必要がありますし、支給方法などにも注意が必要ですが、この青色事業専従者給与という制度を使うことで、コンビニ経営を手伝ってくれている家族に対して支払う給与を、必要経費に計上することが可能になります。

 

専従者給与を支給しない場合(利益の全部を事業主の所得として申告する場合)

 

《用語解説》

収入金額と所得金額の違い
収入金額……コンビニなど自営業の場合、売上金額がそのまま収入金額になります。
所得金額……収入金額から必要経費を差し引いた額です。
課税標準額…所得金額から所得控除額を引いた、税率をかける直前の金額をいいます。
      (1,000円未満の端数は切り捨てします。)

 

コンビニ経営の利益をすべて事業主の所得として申告するケースでは、各種税負担は次のようになります。

 

■所得税
ここで、仮に経営による利益(収入-専従者給与以外の必要経費)が年間500万円だったと仮定します。(基礎控除38万円だけを考慮し、その他の所得控除や税額控除は考慮しません。)

所得税:(500万円-38万円)×20%-427,500円=496,500円

となります。

 

■住民税
個人の住民税には、「均等割」と「所得割」があります。
所得の変動に影響を受けず、各自治体ごとに微妙に異なる「均等割」についてはここではふれずに、所得割について考えます。(基礎控除33万円だけを考慮し、その他の所得控除や調整控除は考慮しません。)

市民税所得割額:(500万円-33万円)×6%=280,200円
県民税所得割額:(500万円-33万円)×4%=186,800円
となり、住民税は計467,000円となります。

 

■国民健康保険
つぎに、国民健康保険料です。
国民健康保険料の計算方法や率は、市区町村ごとに異なりますが、とある地方都市を例に計算します。(所得割・均等割・平等割が課され、資産割は課されない自治体と仮定し、保険料計算方法は所得比例方式(旧ただし書き方式)とします。オーナー世帯は夫婦2名、いずれも介護分が必要な年齢とします。)

 

国民健康保険料賦課基準額=500万円-33万円=467万円

 

 1.医療分(最高限度額51万円)
  ・所得割額 467万円×8.82%=411,894円
  ・均等割額 24,000円×加入者数2=48,000円
  ・平等割額 24,000円×1世帯=24,000円
   合計 483,800円(百円未満切り捨て)

 

 2.支援分(最高限度額14万円)
  ・所得割額 467万円×2.21%=103,207円
  ・均等割額 9,480円×加入者数2=18,960円
  ・平等割額 9,120円×1世帯=9,120円
   合計 131,200円(百円未満切り捨て)

 

 3.介護分(最高限度額12万円)
  ・所得割額 467万円×3.28%=153,176円 
  ・均等割額 11,520円×加入者数2=23,040円
  ・平等割額 7,320円
   合計 183,500円>120,000円…120,000円(百円未満切捨て)

 

この 1 2 3 を合計したものが国民健康保険料となりますので、
国民健康保険料負担は735,000円となります。

 

■個人事業税
コンビニオーナー(個人事業主)には個人事業税がかかります。(第1種事業に該当:税率5%)
(500万円-事業主控除290万円)×5%=105,000円


以上の各種税負担を合計すると、180万3,500円になります。

青色事業専従者給与を活用した場合

 

青色事業専従者給与の特例を利用していれば、妻に支払う給与を必要経費とすることができます。
もし、専従者給与として月に8万円程度を支払っていれば、96万円を必要経費にできますから、計算のもととなった所得自体が変わります。

ではどのように各種負担額が変わるかを計算してみましょう。

 

■所得税
所得税は
(500万円-38万円)×20%-427,500円=496,500円でしたが、
(500万円-96万-38万円)×20%-427,500円=304,500円
となります。

 

■住民税
市民税所得割額 (500万円-33万円)×6%=280,200円
県民税所得割額 (500万円-33万円)×4%=186,800円
で、住民税は467,000円でしたが、

市民税所得割額 (500万円-96万-33万円)×6%=222,600円
県民税所得割額 (500万円-96万-33万円)×4%=148,400円
となり、住民税は371,000円となります。

 

■ 国民健康保険
国民健康保険料賦課基準額=500万円-33万円=467万円でしたが、
国民健康保険料賦課基準額=500万円-96万-33万円=371万円となります。

 

1.医療分(最高限度額51万円)
・所得割額 371万円×8.82%=327,222円
・均等割額 24,000円×加入者数2=48,000円
・平等割額 24,000円×1世帯=24,000円
 合計399,200円(百円未満切り捨て)

2.支援分(最高限度額14万円)
・所得割額 371万円×2.21%=81,991円
・均等割額 9,480円×加入者数2=18,960円
・平等割額 9,120円×1世帯=9,120円
 合計110,000円(百円未満切り捨て)

3.介護分(最高限度額12万円)
・所得割額 371万円×3.28%=121,688円
・均等割額 11,520円×加入者数2=23,040円
・平等割額 7,320円
 合計152,048円>120,000円…120,000円(百円未満切り捨て)

この 1 2 3 を合計したものが国民健康保険料となりますので、
国民健康保険料負担は735,000円でしたが、
国民健康保険料負担は629,200円となります。
※青色事業専従者給与にかかる所得割額は
 96万円-給与所得控除65万円-基礎控除33万円=-2万円<0円…0円
 となります。

 

■個人事業税
個人事業税は
500万円-290万円(事業主控除)×5%=105,000円でしたが、
500万円-96万-290万円(事業主控除)×5%=57,000円となります。
以上の各種負担の変動を表にまとめると、次のようになります。

 

税や会計に関する知識なしでの経営は危険
 

同じようにコンビニを経営をし、同じような利益があったとしても、手続きや計算の仕方一つで、手元に残るお金にこれだけの違いが生じていると考えれば、税や会計のことを知らないままの経営は危険です。

コンビニFC本部は、許認可の取得、開業から店舗運営までサポートしてくれるので、税務や労務についてもうまくやってくれるのだろうと考えているオーナーは多いようですが、これらについては基本的にオーナーの自己責任ですので、自分で考える必要があります。

コンビニオーナーは脱サラ経営者が多いので、このような税や会計について指導を誰かから受けるという機会はほとんど無く、多忙なうちに数年が経過しずいぶん大きな金額を損していた、ということになりかねません。
(正しい申告・納税については税務署に相談に行けば親切に教えてくれますが、注意すべきことは、上で示した2つのパターンはどちらも正しい計算方法であり、オーナーが節税する方法について教えてくれるわけではないということです。)

コンビニ専門会計事務所に任せるメリット
 

忙しいコンビニオーナーが自分で確定申告をするのは一苦労です。
税や会計の仕組みは、毎年の法律改正などで少しずつ、時には劇的に変化します。
正しい方法で申告をおこなうだけでも大変なのに、損得まで考えるのは無理だというオーナーも多いです。

 

しかし、正しい帳簿づけや届出をすること、自分に合った有利な方法を知り選択することで毎年数十万円の差が生じます。

ご自身で帳簿づけや届出を行うのが難しいとお考えなら、ぜひ専門家に依頼することをお奨めします。

 

日本コンビニオーナーズ会計では、お客様をコンビニオーナー様だけに限定することで、コンビニFC各社の会計システムにあわせた独自の会計処理システムを開発し、作業を徹底的に効率化しています。
また、日本全国のコンビニのデータを大量に蓄積しているため、どのような経営形態でどのような問題が発生するのか、どれくらいの店利益であればどのような届出を行っておくと有利なのか、といったコンサルティングもスムーズに行うことが可能です。

年間基本料は12万円(消費税抜き)と、一般的な税理士事務所、会計事務所と比べても格安で、コンビニ経営にぴったりなサービスでオーナー様のコンビニ経営をサポートします。

 

このページでは、青色事業専従者給与の支払についてのみ、一般的なモデルにより負担の差を示したわけですが、この他にも会計上の様々な費用の計算方法や経理処理の方法、所得税や消費税の計算・申告方法によっても税負担には大きな差が生じます。

さらには、地域によって健康保険料を劇的に節約する方法や、法人成りを利用して社会保険料を上げずに消費税免除を受ける方法など、コンビニ専門会計ならではの特別なノウハウも駆使してオーナー様のコンビニ経営をお手伝いします。

ぜひ日本コンビニオーナーズ会計のコンビニ会計サポートのご利用をご検討ください。

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